ひろば Q & A 第2回

質問

Q: CD とか、それ系の記録媒体の記録法に関して

Q & A を募集するということで、コンピータかんけーの質問です。

FD などの磁気記録というのは解るのですが、MO の光磁気記録というのがピンときません。CD-RW もどういう風に記録しているか (なぜ再利用出来るか) よくわかりません。ついでに DVD も。おせーてください。

質問者: の~べ~さん

回答

はい。質問コーナを正式に立ち上げる前に質問が来ちまいやがりました。しかも 2 通目。みなさんどうもありがとう (結局感謝)。

A: MO はレーザで熱した部分を磁石で磁化。CD-RW や DVD はレーザで熱して、結晶化させたり / させなかったり、です

で、質問内容は MO で採用されてる光磁気ってなんですか、ということと CD-RW や DVD はどうして何度も読み書き出来るのかわかりません。と、そう言うことですな。はい。解りません! って言うでは話にならないので調べてみました。ついでに、FD とか HDD とか CD-R などについても解説しちゃいますので、ちょっと長めの回答ですがよろしくです。

ちなみに、CD みたいなピカピカ光る円盤状の書き込み可能記憶媒体は CD-R, CD-RW, PD, DVD, Super Audio CD, MO, MD と大量にあったりしやがり、調べるとき厄介でしたが、PD / DVD / Super Audio CD は CD-RW と同じで、MD は MO と同じであることが判明したので、結局 CD-R, CD-RW, MO の 3 種類を代表して解説してみました。

FD (Floppy Disk)
FD は磁気です。中に砂鉄みたいな物質を塗った薄っぺらい円盤が入っていて、その砂鉄の磁化している方向でデータを書き込んであります。磁石は互いに影響し合うので、あまり高密度に出来ない為、読み書きも低速だし、容量も小さいですが、もっとも普及しており、一部のモバイル機や iMac を除いて殆どのパソコンが標準装備しています。ちなみに、最新技術を使った上位互換の Super Disk というのもありますが、120Mbyte とそれなりですがいまさらな容量のため、今一つ普及していません。
HD (Hard Disk)
HD は、まぁ、つまり FD がレコードなら、HD はジュークボックスだと思ってください。FD と違って、それその物が普通ドライブなので、ドライブとしての規格を守っていれば、内側はどうでも OK、ということでかなり昔の規格を守っている FD より、各社最新技術を使ってある分、容量が大きかったり、高速だったりしますが、その分でデリケートで、持ち運びには注意です。まぁ、記録の話だけすれば、磁気で記録って所は FD と基本的に一緒です (一部除く)。
CD (Compact Disk)
CD はレーザで、表面の凹凸を調べています。細かい凹凸があると、すりガラスのようになり、なければ鏡のようになるので、要するにレーザの反射率を計っています。んで、レーザの反射率が変化しないか、するかで 0 / 1 を記録する相変化記録方式でデータを記録しています。これを相変化記録方式といいます。当然ながら、磁気と違って、書き換え不可能なので、ROM (Read Only Memory: 読みこみ専用 memory) です。わざわざ CD-ROM というときは、コンピュータ用の書き換え不可能な CD ですよ、という意味になります。磁気と違って光はピンポイントで作業出来るので、容量は大きくなりがちで、普通は直径 12cm のもので 540Mbyte か 640Mbyte です。
CD-R (CD Recordable)
一回だけ書きこみが出来る CD です。正面に特殊な有機塗料が塗ってあり、書き込むときにはこれをレーザで焼きます。すると CD に凸凹が出来るのと同じく、レーザの反射率が変わるので書き込み出来る、という仕組みです。焦げちゃった物が元に戻らないのと一緒で、1回書きこんだら、消したり、上書きしたり出来ません。
CD-RW (CD ReWritable)
何度でも読み書き出来る CD です (とはいっても数にはやっぱり限りがある)。書き込むときは CD 表面をレーザで加熱して溶かして書きこみます。このとき約 400 度に熱すると表面が結晶化してぴかぴかになり、約 600 度まで熱すると結晶化せず分子配列が乱れて曇ります。ってな訳で、反射率を制御して書きこみます。まぁ、レーザで溶かすよと。溶かし方で固まり方が違うよと。固まり方で曇ったり、光ったりして、それをレーザで計るよと、そう思ってください。
MO (Magnetic Optical disk)
CD と FD の混血みたいな MO です。磁気媒体は密度を高めると、書き込むときに隣まで書きこんじゃうので、磁性体をプラスティックで固めましょう、と。で、書き込みたい所だけレーザで熱してから磁石を近づければ、目標の磁性体以外は磁化しないので、書き込みがピンポイントで出来るようになりますよ、と。で、読むときは磁石だとやっぱり精度が出ないので、まず、磁性体に偏光性質を持たせておいて (偏光: 光りの波の方向を縦とか横とかに偏らせること。縦波、横波とはまた別です) 磁石の向きを、レーザを当てて反射した時の偏光方向で検出しましょう、という光磁気記録方式を採用した記録媒体。記録するときは熱して磁化。読むときは、磁性体の向きを、磁性体と一緒に向きが変わる偏光具合で検出。簡単に言うと、そう言うこと。

ってな訳で各種記録媒体の記録方法ご理解いただけたでしょうか? ちなみに細かく言うと FD は読み取りヘッドが接触型で、HD は非接触型とかいろいろあって、いろいろ言葉足らずの部分はあるのですが、そこら辺は紙面の関係上割愛して光と磁気、の 2点で書いてみました。まぁ、これ以上突っ込まれて困るので、こんな所で是非とも納得して頂きたいのですがいかがでしょうか? みたいな。

参考文献

日経 BP 社 『日経 BP デジタル大事典 1999-2000年版』